食育への取り組み
食べ物に触れることからはじめよう!
当園は在籍園児数約330名と都内でも最大規模の園です。各学年の名称は、0歳児つぼみ組、1歳児すみれ組、2歳児たんぽぽ組、3歳児ゆり組、4歳児ばら組、5歳児ふじ組です。
当園は在籍園児数約330名と都内でも最大規模の園です。各学年の名称は、0歳児つぼみ組、1歳児すみれ組、2歳児たんぽぽ組、3歳児ゆり組、4歳児ばら組、5歳児ふじ組です。
当園の食育の目的
当園には0歳児から5歳児の子ども達が生活しています。
子どもによって保育園で生活する期間は異なりますが、
子どもにとって味覚や嗜好が形成される大切な時期を保育園で過ごしていることに変わりありません。
保育園での給食は、1日3回の食事の中の1食でしかありませんが、
子ども達の健やかな成長を助ける重要かつ貴重な1食であると私達は考えました。
好き嫌いを無くし、おいしく、そして興味と意欲を持って
給食を食べることができる子ども達を育てることで、
その子ども達の姿が1日3食の内、残りの2食を受け持つ家庭の食事にも影響を与え、
子ども達を取り巻く食環境がさらに充実したものになるとも考えました。
-
食育ボード
黄(熱や力の元になる食べ物)・赤(丈夫な体を作る食べ物)・緑(体の調子をよくする食べ物)の3色に分かれた食育ボードを展示しています。
子ども達がこのボードを毎日繰り返し見ることで、「この食材はこんなはたらきをするんだ」といったように少しでも食への興味を持ってほしいと思っています。
またその日のメニューも掲示しています。子ども達は朝、給食のメニューを保育士と一緒に見て、「今日の給食はなんだろう?」といった会話をしています。
-
野菜・食事の見本の展示
その日の給食の見本(幼児食、乳児食、離乳食)を給食室前とつぼみ組の保育室の2か所に展示し、子ども達がどのような給食を食べているのか保護者が見られるようにしています。
保護者がお迎えに来る際、見本を見ながら子どもに「全部食べられた?」と話しかけている姿がよく見受けられます。
また、給食に使用する野菜の見本を展示し、子ども達が手にとって調理前の野菜を見られるようにしています。
-
保育室での食事
当園は栄養士が7名と多いので、そのメリットを活かし、給食時に保育室に入り、子ども達と一緒に食事をしています。子ども達は栄養士の名前を覚え、栄養士も子ども達の名前を覚えることができ、子供とのコミュニケーションがスムーズになり、意見や要望を直に聞いています。
-
残食調査、朝食調査
子ども達に好き嫌いなく給食を食べるという意識を持ってもらえるよう、始めた試みです。
わかりやすく、楽しみながらできるものとして、塗り絵形式にしました。ゆり組とばら組は大きな貼紙にしてクラスに掲示し、決められた時間までに8割方の子が食べられていたら担任の保育士がりんごを赤色に、それ以下の場合は青色に塗ります。
ふじ組は子どもごとに1枚のカードにして渡し、裏面は朝食を食べてきたかを調べる塗り絵を印刷し、子ども達自身で塗ってもらいます。この時、栄養士が保育室に入るので、子ども達とコミュニケーションを取る絶好の機会になっています。こちらから、「朝ご飯をちゃんと食べてきた?」等を投げかけるのはもちろんのこと、子どもの方から、「○○(食材の名前)は苦手だけど、今日はがんばって食べたよ!」など嬉しい報告をしてくれることもあります。
その他の取り組み
-
試食会
保護者を招き、子ども達と一緒に給食を食べてもらう行事です。この時の給食は量・味付けともに子ども達が普段食べているものと同じにすることにより、子ども達が普段どのくらい給食を食べているのかを保護者が実際に見ることができます。また、栄養士が試食会の場に出ることにより、保護者からの意見を直接伺うことができます。
また、給食に関するアンケートを配り、給食の感想や要望などを書いてもらいます。給食だよりに乗せてほしい情報なども書けるようなスペースも設けており、保護者に意見してもらっています。一年の中で全クラスの試食会を行います。
-
保育園のレシピ配布
試食会でのアンケートの中でリクエストが出てきたメニューに関してはレシピを印刷し、保護者が持ち帰ることができるようにしています。
-
収穫
園長の畑では野菜(トマト・胡瓜・ピーマン・さつまいも)を、園庭ではいんげん・オクラ・枝豆の種(苗)を育てています。
とれごろを迎えた野菜は子ども達と栄養士、保育士が収穫し、そこで撮影した写真を使い、貼紙を作成しています。貼紙はその日のうち(保護者がお迎えに来る前)に掲示します。
-
切り干し大根
園長の畑で栽培した大根を収穫し、天日で干して、切干大根を作っています。出来上がった切干大根は食材として給食で使用します。
子ども達に人気のメニューは切干大根ごはんです。
食育への取り組み例さつまいも堀り
春に園長が畑に植えたさつま芋が立派に育ったので、
みんなと収穫することにしました。
さつま芋を育てるのは初めての試みですが、最初は小さかった苗が、
日を経るにつれてあたり一面にツルを張り巡らせる様は壮観です。
導入
収穫の一週間前に栄養士が保育室でさつま芋について子ども達にお話をしました。
さつま芋はどこで育つのかな?
畑~!
-
その通り!園長先生が畑で育ててくれているさつま芋を、
みんなに収穫してもらいます。
ちなみに、さつま芋はどうやって収穫するか知ってる?? う~ん…。どうやるんだろう?
-
さつま芋についている『ツル』をたどっていくと
お芋があるから、お芋を見つけたらモグラのように
一生懸命土を掘り返しましょう!
そう伝えると子ども達は早くもその場でモグラのマネをして本番が待ち遠しい様子でした。
他にもさつま芋の種類、さつま芋は日に当てておくと甘くなる等の説明をしました。
収穫
-
当日は天気にも恵まれ、収穫日和。
子ども達はたくさんのツルを前に興奮を隠せない様子。
芋の掘り方を復習し、いざ収穫!ツルをたどり、芋のありそうなところを探します。そして、芋を発見した子ども達は大騒ぎ!はやる気持ちを抑え、モグラのように土を掘り返します。そうすると、とてもひとりでは持ち切れないほどの大きなさつま芋が取れ、子ども達は達成感に満ちた表情をしていました。
収穫の後は焼芋にします。収穫したさつま芋を給食室で切り、保育室に持っていき、アルミホイルに包んでホテルパンに並べるまでをしてもらい、給食室のオーブンで焼芋にしました。
おやつの時に、焼き上がった芋を保育室に持っていくと子ども達から大きな歓声が上がり、
アルミホイルを外す時の表情も非常に活き活きとしていました。
さつま芋を育てて収穫するのは今年が初めての試みでしたので、最初は手探りでしたが、子ども達の喜びようは予想以上でした。
よほど楽しかったのか、収穫の直後より「また来年もお芋掘りをしたい!」というリクエストがありました。
また、とれたツルを利用して栄養士がクリスマス・リースを作成し、飾り付けをして各保育室と給食室前に飾りました。
子ども達は自分達がとったツルがこのような形になるとは思っていなかったようで、とても喜んでいました。